新しく首相に就任した鳩山由紀夫氏は、東京大学工学部を卒業後、スタンフォード大学工学部博士課程を修了し、東京工業大学経営工学科助手、専修大学経営学部助教授を経て国会議員に転身という、日本の首相としては異色の経歴の持ち主です。
実は、鳩山首相がまだ東工大や専大で研究活動を行っていた頃の論文の一部が、インターネット上で無料で読むことができます。
論文を公開しているサイトは、国立情報学研究所が提供する論文データベース・サービス CiNii です。論文は PDFファイルで公開されています。PDFを閲覧するにはAcrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら(新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。
CiNii では鳩山首相の専門分野であった「オペレーションズ・リサーチ」に関する数多くの研究成果を見ることができます。
中でも、私の一番のおすすめは「野球のOR」です。
「野球のOR」
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プロ野球という一般の人にも馴染みのあるものを題材に、ORを考えています。野球に関心のある方には面白い内容かもしれません。数学が分からない方でも、鳩山首相は昔こんなことをやっていたのかと考えながら読むのも面白いかもしれません。なかなかユーモアあふれる文章です。
その他、以下のような論文も公開されていますが、こちらはより専門的な内容で、難しいです。
信頼性の数学(1)
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信頼性の数学(2)
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信頼性の数学(3)
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マルコフ保全理論は批判に耐えられるか
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英語の論文もあります。
多種の修理施設をもつ機械の保全問題
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下取りを考慮した取替問題
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鳩山首相の論文が数多く掲載された日本オペレーションズ・リサーチ学会の機関誌『オペレーションズ・リサーチ』誌では、なんと「名選手かつ名監督であられた川上哲治氏の "野球哲学" を知り、さらにそのORとの関連を探ることを目的として」川上氏とのインタビューが行われています。このインタビューには、鳩山氏も同席しています。面白いことをする雑誌です。
インタビュー : 川上哲治氏にきく野球哲学
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なお、鳩山首相は、現在でも、日本オペレーションズ・リサーチ学会の会員なのだそうです。
鳩山首相が学者時代に書いた論文
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